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![]() 2001年、9月11日。アメリカの大型旅客機4機がイスラム過激派によりハイジャックされる。 そのうち2機がニューヨークの世界貿易センタービルに突入し爆発炎上。 もう一機はアメリカ国防総省本庁舎(ペンタゴン)に激突し爆発炎上。 共に多くの犠牲者を出すことになる。 そして残る一機、ユナイテッド航空93便はペンシルバニア州シャンクスヴィルに、時速580マイル(時速933km)もの猛スピードで墜落した。 93便の標的地点はアメリカ合衆国議会議事堂、あるいはホワイトハウスであったとされている。 離陸からハイジャック、墜落までの乗員乗客の行動を基にした映画「ユナイテッド93」。 まるで当時の記録をドキュメンタリータッチで見せるこの映画、前半は管制塔からの航空機までのやり取りを丸一時間見せている。 2機の旅客機が世界貿易センターに激突する映像も懐かしく生々しい。 映画も中盤を過ぎた頃にユナイテッド航空93便に乗り合わせた4人のテロリストが動き出す事になる。 乗客を次々に殺して行くテロリスト達。 一人は爆弾を体に巻いて脅している。 コックピットを乗っ取ることが出来た後は、航空機は物凄い勢いで低空飛行を始める。 乗客は2機の旅客機がハイジャックされ、貿易センターに突っ込んだことを知ると、一斉にテロリスト達に襲い掛かる。 しかし、飛行機は上昇する事が出来ず猛スピードで地面に墜落。 そのままエンドロールが流れる。 この映画はフィクションである。 なぜならこの航空機に乗り合わせた人々は全員亡くなってしまっているので、誰もその当時の様子はわからないはず。 もしかしたらこの映画以上に悲惨な光景が映っていたのかもしれない。 だがこの映画はドキュメンタリー風に撮ってあるので、物凄くリアリティがあり、全員の演技がとても見事に描かれている。 最後は乗客を心から応援しているはず・・・。 最初から全員が死ぬとわかっている映画を見る事ほど辛いものはない。 恐怖、苦しみ、悲しみ、憎しみ、怒り、全てがこの110分の映像の中に凝縮されている。 あなたはこの手に汗握る全篇を直視することが出来るか? あれから6年後の今日、世界はこの事件を決して忘れてはならない。 ![]() 今回の作品も黒沢色が120%出ていた作品だ。 葉月里緒奈粉する赤い服を着た幽霊が、役所広司演じる刑事・吉岡の目の前に度々現れるようになる。 まったく見に覚えのない女性。 吉岡は次第に自分が殺した女性なのでは?と考え始める。 いろいろな考えがあるが、黒沢作品は一度見ただけでは難解そのものである。 自分自身の頭の中にあるシナリオを、我々に直に見せられてもこちらとしては反応に困ってしまう。 これまでの黒沢作品もそうだった。 何度も見てるうちに、「これはこうだったのか?」や「こっちの方が正しいのでは?」という考えが右往左往している。 これこそが黒沢清自身の狙いであり、正に客に娯楽として捕らえさせないと言う確信犯的な考えなのだ。 黒沢はこう語る。映画は全体を理解した上でのラストでは記憶に残らない。曖昧にさせてなおかつ謎を残してこそ、常にその人の心に残るのでは、と。 確かにその通りだ。 いくらハッピーエンドの作品が面白いからと言ってもいつまでも残るものではない。 きっとDVDを買ったところで、せいぜい1,2回見るくらいだろう。 それならば謎めいた作品の方が何度も繰り返し見れて、自分の中で決着が付くまで見れるから記憶にも残ってしまうに違いない。 自分はほとんどの黒沢清作品のDVDを収集している。 彼の魅力はそういうところにあるのかもしれない。 今回の「叫」も正に通常では考えられない、難解なストーリーになっていた(まあ、あくまでも個人の勝手な解釈だが・・・) メイキングで話す黒沢自身も作品の出来栄えに少々困っていたくらいだから。 俺はそんな映画を待ってました!と心から作品を楽しんだ。 オチとなる終盤では多分こうくるんだろうとあらかじめ予想はしていたが、まさかこうくるとは・・・。これはいつものことだ。 思わず2度続けて見てしまった。 「回路」とストーリーや演出方法が少々ダブったような気がする。 CGと組み合わせたワンカット撮り、葉月演ずる幽霊の演出方法。 この辺は非常に上手い! 黒沢組常連の役所広司の疲れ具合の演技、少々キレ気味の演技も健在である。 人は過去を背負って生きる生き物だが、同時に忘れる生き物でもある。 過去に罪を背負ってしまい、忘れたいのにどうしても忘れる事が出来ないのならば。 幽霊と呼ばれる怨念が、この世の誰にもすべてを忘れ去られたなら。 叫は誰の中にでもあることなのである。 「私は死んだ。だから、みんなも死んでください・・・・・・」 ![]() ブノワ・ポールヴールド&レミー・ベルヴォー&アンドレ・ボンゼル製作・監督・脚本・撮影・編集・出演。1992年ベルギー映画。原題「C'EST ARRIVE PRES DE CHEZ VOUS」。 世に「スナッフビデオ」が存在するとするなら、これは正に「スナッフムービー」だろう。 主人公のベンは虫を殺すかのように人をも殺す、彼にとって殺人は朝飯前どころか、普段の生活の為に息をするのと同じ。 3人の撮影クルーはそんなベンをドキュメンタリー映画のフィルムに収めようと、彼の殺人の様子を次々にフィルムに収めてゆく。 犯罪哲学を語り、詩を朗読し、軽やかに歌をも歌う。カリスマ的な魅力を放つベンに側にいたクルーはいつしかそれに参加するようになってゆく・・・。 何の前触れもなくこの作品を見たのなら、「これってまさか本物じゃ・・・・」という感想を抱くことになるだろう。 ストーリーは単純でただベンの殺人風景を淡々とドキュメンタリータッチで撮影したもの。 モノクロの雰囲気がなぜか生々しく恐ろしい。 ベンは女性を平気で犯し、老人も子供もおかまいなしに殺す。 その光景はリアル過ぎるせいか、途中から見慣れてしまったりもする。 生活の為に平然と殺人・強盗を犯し、良心の呵責を微塵も感じていない主人公ベン。 だがベンは両親は大切にしている。馴染みの古い友人も大事にしている。 撮影クルーにも気を使い、仲間だと思っている。 そんな彼の暴力や犯罪を止めたり抵抗することもなく、この人格と付き合っている周囲の人物たちの表情やありふれた行動が一層恐怖を掻き立てる。 ベルギー映画の隠れた傑作。 これは本物の「スナッフムービー」だ!
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